「君と僕と洗濯物」はどんな曲?
「君と僕と洗濯物」は櫻坂46の2ndシングル『BAN』のTYPE-Bに収録されています。
森田ひかるさんがセンターを務めている曲で、初めて部屋に来た女の子との幸せな時間を描いた歌です。5軍の控えである男子が1軍に転生した妄想を描いているかのようにも見えます。
話者である「僕」の目線から語られているこの歌詞ですが、「君」との関係性はどのようなものなのでしょうか?
そして多くの人が感じたであろう「チューリップ」の違和感と、「青空が違う」との共通点についても深読みしていきたいと思います。
目次
「君」はどんな女の子?
真っ青に晴れた日曜日の午後
遊びに行くからなんてLINE来たけど
散らかってるから嫌だって言ったのに
チューリップ持って押し掛けてきた
「僕」のプライド?
警戒心が まるでないの?
僕だって男だよ
そうさっきからドキドキしてる
初めてなんだ 異性が来るなんて・・・
だから朝からずっと落ち着かなくて・・・
かと言って急に片付けちゃっても
誰か彼女がいるみたいだし・・・
おそらく何気ない風を装ってドキドキしている彼女ですが、それは「僕」の方も同じです。
ただし、この歌詞のポイントは「僕」の方も彼女への恋心というのをハッキリとした形では表現していないところです。
「僕だって男だよ」「初めて異性が来るから落ち着かない」のように、好きな「君」が来るからではなく、「誰でも男なら女性が部屋に来ればドキドキするものでしょ?」という論理で自分の気持ちを隠そうとしているようです。
ですが「誰か彼女がいるみたいだし」などの考えは、 彼女が好きだからこそ浮かんでくる考えでしょう。ただの女友達なら、そんな誤解をされても問題はないはずです。
隠そうと思っても隠しきれない本音が所々に描かれていますね。
「朝からずっと落ち着かなくて」という部分から、彼女からのLINEは前日の夜か当日の朝に送られてきたのが分かります。
そこから数時間もの間、「片付けたらどう思われるか」のような細かなことをあれこれと心配している「僕」の初々しさも感じられます。
二人の微妙な距離感
君が干してくれた洗濯物
嬉しいけれど恥ずかしくて
もうそんなのいいよなんて
ちょっとぶっきらぼうに
言ってしまってごめん
君が畳み始めた洗濯物
こんな時間が続けばいい
その周りをウロウロして
手持ち無沙汰のままで
なんだか 幸せだった
1サビと2サビを並べてみると、「干す」から「畳む」となっており、結構な時間が経過しているとも読み取れます。
ですが、洗濯物が乾くまでの長い時間、二人がこの距離感なのも不自然に感じるので、1番は洗濯機の中のを干してくれて、2番は、その時すでに干しっぱなしになっていた洗濯物を取り込んで畳んでくれていると考えます。
いずれにせよ「僕」は何もしておらず、「お前も手伝えよ!」とツッコミを入れたくなりますね。今の時代だと特にうるさく言われそうです。
ですが、あえて「僕」のフォローをします。
■「ありがとう」と手伝いたいのに「もうそんなのいいよ」と言ってしまう。
■隣で畳むのを手伝うには距離が近すぎて、かといって完全に放っておくこともできず、周りをウロウロしてしまう。
この2つが表すような「二人の微妙な距離感」というものこそが、この歌で描きたかったテーマではないでしょうか。
ですので、歌のテーマ上、仕方が無いといえば仕方が無い・・・かも。
恋の成就
日常を君と過ごしたいよ
散らかってた僕の部屋が
見違えるように綺麗になって
僕たちは次に何しようか?
物干し竿の向こうから
黄昏に染まっていく
今度はいつ来るの?なんて
図々しいかな
君が干してくれた洗濯物
嬉しいけれど恥ずかしくて
もうそんなのいいよなんて
ちょっとぶっきらぼうに
言ってしまったけど
みんなに自慢したいよ
「青空が違う」とつながる?
「青空が違う」は欅坂46時代に「青空とMARRY」というユニットで歌っていた私も大好きな曲なのですが、今回の曲を聴いて「ひまわりの種を持って来た」あの彼女を思い浮かべた人は少なくないでしょう。
というわけで、ストーリー的につながるのか考えてみます。
言葉の共通点
「洗濯機」「勝手に押しかけた」「青空」「散らかった部屋」「だけど言えなくて」「本当は一緒に帰って欲しいけど 夢を絶対叶えて欲しい」
ストーリー
上の共通点を見てみると、つなげるのに明らかに無理な点はなさそうです。
この「君と僕と洗濯物」で結ばれた二人でしたが、数年後に「僕」の方は夢を追うために都会で一人暮らしを始めるのでしょう。
それを心配してアポなしで訪ねてしまう彼女の強引さも、一人では部屋を片付けられない彼のずぼらさも相変わらずのようです。
都会を「洗濯機」と喩えた彼女の頭には初めて彼の家に押しかけた、この歌の情景が浮かんでいたのかもしれません。
お互いに大切な想いを口に出せないもどかしい性格も変わっていないようです。
ひまわりの花言葉は色々ありましたが、「あなただけを見つめる」「情熱(を応援する)」「願望(がかないますように)」などが夢を目指している彼を応援するメッセージとして込められているのかなと考えました。
※余談ですが「ひまわり」は「火回り」という字に通じるところから、庭に植えると家事を起こすとして不吉だと考える言い伝えも根強くあるそうです。「青空が違う」で「ひまわりの種を持ってきた 鉢植えの土に埋めよう」とわざわざ庭じゃ無い植え方を指定しているのは、これを上手く回避しているのかもしれません。
未来の二人の恋もそのまま上手くいってくれることを願うばかりです。
最後に
いかがでしょうか?
歌詞自体が結構妄想チックなテイストなので、遠慮無く妄想を膨らませた読み方をしてみました。
チューリップや向日葵の花言葉には他にも様々なものがあるので、どの言葉を意味するかによって、ストーリー性が変わってくるのを楽しむのも面白いかもしれませんね。
新しい読み方があれば、ぜひ教えてください。
長文をお読みくださり、ありがとうございます。
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