櫻坂46 歌詞 解釈

櫻坂46「夏の近道」の深い歌詞の意味を考察!〜夏や梅雨が表しているものとは?~

櫻坂46初の3期生楽曲

2023.2.11にyoutubeで「夏の近道」のMVが公開されました。
5thシングル『桜月』は2.15にリリースされ、この「夏の近道」はType-Dに収録されている初の三期生楽曲です。
センターは谷口愛季(たにぐちあいり)さんが選ばれました。

ライブでは2023年3月4・5日の『おもてなし会』で初めて披露されましたが、初ライブとは思えない堂々としたパフォーマンスで、これからの櫻坂46の未来が頼もしく感じる姿でした。これから3期生11人が加入した新しい櫻坂46が楽しみですね。

歌詞は、恋のライバルの出現に気づいた「僕」が、「君」との恋のゴールである「夏」に向けて焦っているというストーリーです。シンプルで明るい青春の歌詞がフレッシュな3期生のイメージにピッタリですが、そこには3期生の葛藤も読み取れそうです。

ここでは

■どんなストーリーの曲?
■「夏」や「梅雨」は何を表している?
■3期生の状況に当てはめてみると?

を中心に考えていきます。

ぜひ最後までお読みください。

MVはここから見られます↓

歌の流れを追いながら全体のストーリーを考察

1番 初めて焦りを感じる「僕」

【1番】
夏の近道 右手翳(かざ)して
風と陽射しのその中に(きっとある)
同じに見えた毎日だったのに
夕焼けが沈むのが遅い

そんな仲よかったのか?
帰り道で あいつと君の笑顔
なぜか切なくなって
明日(あす)が早く(早く)
やって来ればいい(もう)

このままだと追いつけない
僕より先を歩く二人に
話すチャンス待ち伏せして
君を(君を)海に(海に)
誘いたいんだ

夏の近道 どこを探せば
次の季節のドアが開(あ)く(待ち遠しい)
恋はいつも せっかちなものだから
未来(未来)地図を(地図を)教えて

夏の近道 右手翳(かざ)して
風と陽射しのその中に(きっとある)
同じに見えた毎日だったのに
夕焼けが沈むのが遅い

歌の出だしは「同じに見えた毎日だったのに 夕焼けが沈むのが遅い」と季節の移り変わりに気づくところから始まります。夏の夕方は「日が長い」などと表すことも出来ますが「遅い」という言葉に「焦り」のもどかしいニュアンスが感じられます。

そのきっかけは学校からの帰り道に、気になっていた「君」が「あいつ」と楽しそうな笑顔で一緒に帰っているところを見たことでした。「僕」はそこで初めて、ライバルの存在に気づき、時間はいつまでも待ってくれないということに気づいたのでしょう。

「焦り」というと普通は「時間よ進まないで」という表現になりそうですが、ここでは「明日が早くやってくれば良い」となっていて違和感があります。
 これは、この場面の「僕」の気持ちとして、一緒に楽しそうにしている2人を見たくないという想いと、この曲全体で一貫している「時間が進み夏になる」=「二人の距離が縮まり結ばれる」という比喩によるものだと考えられます。

「僕」は「君」に先回りするため、何とかして「近道」を探そうとします。「未来地図」というのも「近道」が載っているという比喩でしょう。

2番 焦りは更に加速していく・・・

【2番】
いつか誘えればいいなって
今までまるで焦(あせ)ってなかった僕さ
突然今日になって
心の距離(距離)
急がなきゃダメだ(すぐ)

春夏秋冬 順番だけど
スキップしたくなるものなのさ
どうしてもズルしてでも
君を(君を)他に(他に)
渡せやしない

梅雨の寄り道 いつまで続く?
雨は止みそうで止まない(レイニーデイ)
光 差し込む 雲のその切れ間に
会える(会える)場所を(場所を)見つけよう

梅雨の寄り道 遠回りでも
ずっと奇跡を追いかけて(ミラクル)
もっと手前で その角を曲がれば
もうそこは 真夏の入口

できるならゆっくりと 君と恋をしたいけど
ライバルのせいでもう時間がない

夏の近道 どこを探せば
次の季節のドアが開(あ)く(待ち遠しい)
恋はいつも せっかちなものだから
未来(未来)地図を(地図を)教えて

夏の近道 右手翳(かざ)して
風と陽射しのその中に(きっとある)
同じに見えた毎日だったのに
夕焼けが沈むのが遅い
もうそこは 真夏の入口

「いつか誘えればいいな」程度に考えていた「僕」が急に焦り始めたのは、やはり「あいつ」のせいでしょう。

「春夏秋冬」が順番に来るように、通常は好きな人との距離の詰め方も「知り合い」→「よく話す」→「一緒に帰る」など、ある程度の順番が考えられます。
しかしそのような「順番通り」のルートでは「あいつ」の方が確実に先をいっているため、「スキップ」や「ズル」という発想になってしまいます。

「梅雨の寄り道」というのは、そんな「近道」を考えながら、結局は行動に移せていないもどかしい時間のことでしょう。実際の季節も6月頃に暑くなってきて、このまま夏になるかと思わせてから梅雨になったりするので、「寄り道」という表現がぴったりに感じます。

深読みをすれば「光差し込む 雲のその切れ間」とは、そんな「梅雨」の時期に時々ある夏を感じさせるような晴れ間ですが、「夏」=「君と結ばれる」という比喩を考えれば、何か「君」との距離を縮めるきっかけになりそうな出来事が、この悶々としている「梅雨」の中でも何度かあったのかもしれないと読めます。

結局「僕」は一見遠回りに見える一発逆転狙いをすることに決めたようです。具体的にどういう方法なのかはなかなか想像がつかないですが、「奇跡」と自分でも言ってしまっているので、王道のやり方ではないはずです。

そんな一か八かのルートを選んでしまったのは全て次の歌詞に集約されています。

できるならゆっくりと 君と恋をしたいけど
ライバルのせいでもう時間がない

完全に、ライバルの存在に心を奪われてしまい、自分を見失ってしまっていますね。

焦る気持ちは分かりますが「僕」の恋の行方はどうなるのか・・・読者には見守ることしかできません。

最後に 櫻坂46の現在と絡めて考えると 

この歌は「僕」の焦る気持ちがメインになっていますが、それはこの曲でデビューをする3期生達の気持ちを表しているとも考えられます。

下の村山美羽さんの3/27のブログにもMVについてそのような解釈が綴られていました。

https://sakurazaka46.com/s/s46/diary/detail/49704?ima=0000&cd=blog

ですが、1・2期生に追いつくための近道はないとは思います。そういう意味では、この歌詞全体がアンチテーゼとして示されているようにも見えます。

また、「ライバルのせいでもう時間がない」とありますが、この曲のMVが発表される10日ほど前の2023.2.1に「乃木坂46公式ライバル」の募集が告知されました。「乃木坂46」のライバルとなってはいますが、坂道グループ全体で見ると、櫻坂46の3期生が一番デビュー時期が近いため、この歌詞にはそういった意味も含まれているのではないでしょうか。

※「公式ライバル」はその後「僕が見たかった青空」というグループ名で2023.8.30にデビューシングルが発売予定です。

焦ることなく、ここから櫻坂46のメンバーとして一緒に盛り上げていってくれるのを楽しみにしています。

長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!

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