櫻坂46 歌詞 解釈

櫻坂46「君がサヨナラ言えたって…」の深い歌詞の意味を考察!〜小林由依さん見送る卒業ソング~

8年間、グループを支え、引っ張ってきた小林由依さん

2015年8月21日にデビューした欅坂46時代から、2024年2月1日に櫻坂46を卒業するまで、一期生が少なくなってきてからも、グループの中心としてライブでもバラエティでも先頭に立って引っ張ってきてくれた小林由依さんの卒業ソングです。

小林由依さんの卒業コンサートは2024年1月31日、2月1日の2日間、国立代々木競技場 第一体育館で行われました。この「君がサヨナラ言えたって…」もその卒業セレモニーで披露されています。

卒業コンサートのDVDはこちらから購入できます。

CDでは『承認欲求』の特別仕様版に収録されています。

この歌詞はストーリー自体は分かりやすいですが、ところどころの言葉の解釈は難しいところもあります。

ここでは

■「僕」と「君」のストーリー
■小林由依さんのこれまでと関連させて考えると…
■「ジャマイカビール」とつながっている?

を中心に考えていきます。

ぜひ最後までお読みください。

MVはこちらから見られます。

歌詞の流れに沿ってストーリーを考察

1番 二人の別れを悟った朝 

【1番】
シェイドの羽根のその向きに
滑るように夜が明けてくる
昨日と違う太陽と
気づかれたくない朝だ

やさしい言葉がいくつも
床の上に 溢れていても
拾うことなく 目を閉じて
僕らは ただ黙っていた

どんな理由があるのか?
聞いてみるには 遅過ぎて・・・
自分が嫌になってくるよ
本当はわかっているんだ
あんなに二人 目を輝かせて
夢を語った日々

君がサヨナラ言えたって 僕からは言えないよ
理屈ではわかっているけど・・・
思い出が散らかってて 愛を整理できない
悲しみはいつまでやさしい?

もう振り向かないでよ
いつか会える日まで

歌は夜明けの場面から始まります。「シェイド」とは一般的には「ブラインド」とも言われ、「羽根」とは、その日差しを遮る一枚一枚の板の部分です。

シェイドのイメージ

「昨日と違う太陽と 気づかれたくない朝だ」は意味が分かりにくいですが、後の歌詞から考えると「(相手に別れを切り出され)昨日までの日々と今日が変わってしまうことを受け入れたくない朝」という意味だと考えられます。

「やさしい言葉」とは何でしょうか。「僕ら」と二人とも「拾わない」とあるので、お互いに「別れ」に際しての慰めや、言い訳や、引き留めなど、その場の気持ちを軽くする言葉たちでしょう。

「どんな理由があるのか」「本当はわかっているんだ」とあるように、お互い、近々別れが訪れることは感じていて、それがどんな言葉を尽くしたところでどうにもならないことも分かっているのでしょう。

サヨナラを切り出したのは「君」の方からで、「僕」はまだそれを受け入れることはできずにいます。

「悲しみはいつまでやさしい?」とは色々な解釈ができそうですが、先ほどの「やさしい言葉」がその場の気持ちを和らげる言葉というところにつなげると、別れを言われた当初は「悲しみ」が最初に来ると思います。今の「僕」も悲しみに沈んでいる状況でしょう。

ですが、「悲しみ」に沈んでいる時には、他の様々な「絶望」や「将来の心配」や「喪失感」などは考えずにいられるという点で「やさしい」とも言えます。そう考えると、「僕」は「悲しみ」が癒えた先にある様々な感情の方を恐れているのかもしれません。

「僕」は引き留めることはできず、背中を押すしかできません。

2番 今さら後悔しても間に合わない…

最後のドアを開けた時
僕の手に負えぬくらいの
眩しい光に 晒されて
何も見えなくなった

今まで外にあるものと
ずっと信じてた世界は
誰の思い込みだったのか
何かが間違ってたようだ

引き止める方法は
もう残されていないだろう
ここで溜め込んだ時間は
新しい夢のためにある
知らない都会で翼を痛めても
戻って来ない鳥

僕に何かができるなら 何だってするけれど
もう君は必要としない
一人で生きて行こうと決めてしまったんだろう
誰よりも 逞しくなった

僕はただ見送ろう
遠い空を見上げ・・・

最後に「君」を見送るため、いつもの部屋のドアを開けたとき、外の光で目の前が真っ白になります。

「今まで外にあるものとずっと信じてた世界」とは、今後も二人で部屋から出かけて、二人で過ごすはずだった日々でしょう。それが当たり前に続いていくと思っていたのは、自分の「思い込みだった」と「僕」は気づきます。

「何かが間違ってたようだ」と後悔しても、もう引き止めることもできません。

「知らない都会(まち)で翼を痛めても 戻って来ない鳥」という歌詞から、二人が分かれる直接的な理由は「君」の方が、都会に一人で旅立ってしまうからだと分かります。

今までも「僕のジレンマ」「桜月」「ずっと 春だったらなあ」など、夢のために別れる相手を見送るしかできないというテーマは歌われてきました。

ここでもそれと同じように「僕」にできることは、ただ見送るだけです。

Cメロ 夢の邪魔をしたくない「僕」

もう きっぱりと
今日を忘れさせて
未来の邪魔をしたくない
遠くから見守っている

Cメロでも繰り返されるのはこれまでと同じ「君」を邪魔したくないという思いです。

これまでの見送る系の歌が「未練」を中心に描いているのに対して、この歌は比較的切り替えて、サッパリと応援していく印象を与えます。そのあたりについて考えてみましょう。

小林由依さんのこれまでに関連させて

この歌が小林由依さんの卒業ソングであることを考えれば「君」や「僕」は小林さんや残る櫻坂メンバーや、櫻坂ファンの象徴だと考えることもできます。

今回、一人旅立って、「誰よりも逞しくなった」と言われる「君」は櫻坂の中心として貫禄ある存在となり、卒業していく小林由依さんを表していると考えられます

しかし、一方で「逞しくなった」のは後に残る櫻坂46のメンバー達だと考えることもできるでしょう。この時期の一期生は、卒業に際して「これからの櫻坂は自分が抜けても大丈夫」という想いを語ることが多くあります。だからこそ、歌詞にも「見送ろう」だけでなく「見守っている」という歌詞もあるのではないでしょうか。

この歌の歌詞が、他の見送るテーマの曲よりもサッパリしているように見えるのは、卒業コンサートで少し涙ぐみつつも、終始笑顔でいた小林由依さんらしさを表したものになっていると感じます。

欅坂46結成当初、21名いた一期生もこの時、小林さんを含め4名(齋藤冬優花、上村莉菜、小池美波)となっています。
これまでたくさんのメンバーの卒業を見送って来た時の気持ちが「君がサヨナラ言えたって 僕からは言えないよ」には込められているように感じますし、それは同時にファンが小林さんの卒業に際して思う気持ちでもあります。

このように、この曲には小林由依さんの「見送られる気持ち(君目線)」と「見送る・見守る気持ち(僕目線)」のどちらもが歌われていると言えます。

卒業後の小林由依さんの予定については現在明らかになっていません。「いつか会える日まで」とあるように、もう一度、何らかの形で会える日を待ちたいですね。

※【追記】2025.5.12に小林由依さんのソロデビューが発表されました!今後は「yousti(ユースティー)」という名前で音楽活動をされるとのことです。嬉しい発表ですね!!

ジャマイカビールとの関連は?

最後に小林由依さんのカッコよさが印象的な「ジャマイカビール」との関連について考えてみたいと思います。

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どちらも「男女の別れ」「女性の方から別れを切り出している」「二人で過ごした部屋から出ていく」というような共通点があります。

この「君がサヨナラ言えたって…」で別れた後の続編が「ジャマイカビール」だったらとても面白いですし、無理すればそう読めなくもなさそうです。

ですが、正確さを重視すると「ジャマイカビール」の方は男の方に「新しい彼女」ができたのが別れの理由のようなので、そこだけはうまくつながりません。

「細かいことはいいんだよ」という方は、その辺は目をつぶって「続編」として楽しむのもアリですし、気になるという方は、2つの世界線として、女性が出ていく本曲と、男性が出ていく「ジャマイカビール」の対比を楽しむと良いのではないでしょうか。

最後に

いかがだったでしょうか?

小林由依さんの卒業コンサートの詳しい内容や、セレモニーで語った内容については、以下に載っています。

「私が存在している理由を知れた」櫻坂46小林由依、フルメンバーに見送られ8年半の歴史に幕(JOYSOUND音楽ニュース)

また、小林由依さんについてもっと知りたいという方は以下もオススメです。

欅坂46.櫻坂46 小林由依 1st.写真集 感情の構図

櫻坂46 小林由依2nd写真集 意外性

長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!

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