海沿いをドライブしながら聴きたくなるような一曲
2022.4.6発売の櫻坂46の4thシングル『五月雨よ』のカップリング曲である「車間距離」が3.7のラジオ「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」で初公開されました!センターは森田ひかるさんです!
森田ひかるさんの透明感のある「Try me」から始まるのが特徴的なこの曲。
少しレトロな雰囲気もあり、昭和・平成のラジオから流れてきそうな懐かしさを感じます。
「私」と「あなた」の二人の男女の心の距離感を「車間距離」として表しています。
※相手の男性は「あなた」としか出てきませんが、書きにくいので「彼」で統一します。
今回は■1番と2番の違いは?
■テーマは「恋」と「愛」?
を中心に考えていきます。
ぜひ最後までお読みください。
MVが公開されました!夢の世界へと迷い込んでしまったかのような幻想的な雰囲気のMVになっています。ところどころに散りばめられた暗号の意味についても、ネット上では解読が進んでいるようです。
歌詞の全体像を確認!
まずは歌詞の全文を載せます。
長いので、飛ばしたい方は目次から飛んでください。
「Try me」
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
強引な車線変更 前方を遮られて
クラクション鳴らした夜は 心を試されてた
Ah あなたのその気まぐれに振り回されたくない
真っ直ぐか 曲がるのか それは私の判断
誘惑するテールライト どんなに煽られたって
ただ冷静に 自分のペースで生きたいだけ
ハンドル握っているのは 誰なのかわかってるから
インターチェンジ ウインカー出そうかと迷う
二人の車間距離 空けなきゃ
追突しちゃうわハートが・・・
少し離れていたって
ジェラシー ちょうどいいでしょう
目的地一緒なら そんなに近づかなくてもいい
あなたのこと見失わないよ
【2番】
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
自信過剰な生き方は何を根拠にしてるの?
アクセル踏み込むことでマウントを取ったつもり?
Ah ハザード点滅させて 後続車両 止めて
これ以上 恋愛を走り続けられない
追いかけているばかりじゃ 私じゃなくなるようで
ライト パッシング 何度かして警告してみよう
地図上の束縛は 標識が見えなくなる
好きなように解釈してくれればいいわ
そんなに車間距離 空けたら
他の車が割り込む
私の意思ではなくて
愛とはそういうものでしょう
そう全て タイミング 気持ちを理解できても
ついていくかは 行き先次第よ
ブレーキ何度踏めば この気持ち伝わるのか
バックミラー 何かに気づいてくれるかな
どれだけ車間距離 空ければ
涙 流さずにいられる?
結局このまま走って
いい関係と気づくまで
二人の車間距離 空けなきゃ
追突しちゃうわ ハートが・・・
少し離れていたって
ジェラシー ちょうどいいでしょう
目的地一緒なら そんなに近づかなくてもいい
あなたのこと見失わないよ
「Just drive」
歌の流れに沿って考察
「彼」との関係性は?
「Try me」
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh
強引な車線変更 前方を遮られて
クラクション鳴らした夜は 心を試されてた
Ah あなたのその気まぐれに振り回されたくない
真っ直ぐか 曲がるのか それは私の判断
誘惑するテールライト どんなに煽られたって
ただ冷静に 自分のペースで生きたいだけ
ハンドル握っているのは 誰なのかわかってるから
インターチェンジ ウインカー出そうかと迷う
歌い出しの「Try me」の意味は「私を信じて」です。
この後の歌詞の内容からすると、「彼」が「俺についてこい」タイプなので、そのセリフだと考えられます。
「彼」の車が私の目の前に急に入ってくる場面から歌が始まります。
「彼」が前にいて、「私」が後ろについていくという関係性は、この歌の最後まで変わりません。
ある夜の、本物の車での場面と捉えることも出来なくはないですが、サビを中心に「車間距離」が比喩で使われていることを考えると、ここも比喩だと考えられます。
だとすれば、「前方を遮られて クラクション鳴らした夜」とは、「彼」が急に「私」の意識に表れ、追突してしまいそうになった(理性を失いそうになった)という状況の喩えでしょう。
恐らく「彼」の方から急に告白をしてくるなど、「異性」として突然意識させるようなことをしてきたのだと考えられます。
ですが「あなたのその気まぐれ」とすぐに言われてしまうところからは、「彼」がこれまでも様々な女性にそのような思わせぶりな態度をとってきたことがうかがえます。
その夜から「彼」はブレーキを踏んで距離を詰めたりと、あれこれアプローチしてきます。
「私」はそれに対して、ついていこうかと迷いながらも、自分の判断やペースを乱さないようにと理性的であろうとしています。
二人の最適な距離感
追突しちゃうわハートが・・・
少し離れていたって
ジェラシー ちょうどいいでしょう
目的地一緒なら そんなに近づかなくてもいい
あなたのこと見失わないよ
「彼」との距離感が「車間距離」で表現されています。
近づきすぎては事故が起きてしまう・・・事故とは、「私」が理性を保てないということかもしれませんし、そもそも「彼」は恋をしていい相手ではないのかもしれません。
あまり近づくよりは、少し距離を置いた方が「彼」の方もジェラシーを抱いてくれて、ちょうど良い距離感だと言えます。
二人の目指す未来が同じものであれば、最後は二人で辿り着くことができます。
一見、距離を置いているように見える「私」ですが、「あなたのこと見失わないよ」という言葉からは、常に「彼」のことを気に掛けていることが感じられます。
追いかけるのに疲れてくる「私」
自信過剰な生き方は何を根拠にしてるの?
アクセル踏み込むことでマウントを取ったつもり?
Ah ハザード点滅させて 後続車両 止めて
これ以上 恋愛を走り続けられない
追いかけているばかりじゃ 私じゃなくなるようで
ライト パッシング 何度かして警告してみよう
「彼」は自信過剰な性格で、「私」を置いて一人で先に行ってしまうこともあります。
【2番】では、【1番】と違い、そんな「彼」についていくことに疲れてくる「私」の姿が描かれます。
「ハザード点滅」は車を停める時の合図で、「私」はついに「彼」を追うことを止めてしまいます。
「パッシング」というライトを使った前の車(彼)への合図をして、気づいてもらおうとしていますが、恐らく「彼」はそんな「私」の疲れた様子には全く気づいていないのでしょう。
好きなように 解釈してくれればいいわ
「地図上の束縛」とは、地図の上で動きが止まること、そして「標識が見えなくなる」も「彼」を追うことを完全に止めて停車し、標識も見ようとしなくなったことだと考えられます。
そんな急な停車を「彼」の方は、何かトラブルがあった?自分に気が無くなった?他の人を好きになった?などあれこれ考えるかもしれませんが、「私」の方は勝手にすればとばかりに意に介しません。
今まで「私」のことを顧みなかったツケなのかもしれません。
他の車が割り込む
私の意思ではなくて
愛とはそういうものでしょう
そう全て タイミング 気持ちを理解できても
ついていくかは 行き先次第よ
追うのを止めた「私」と、それを顧みない「彼」との間には自然と距離が広がっていきます。そうなれば必然的に「他の車」が入ってくるでしょう。
これは、ただ「彼」が見えなくなっていくということかもしれませんし、「他の男性」に心が奪われるということかもしれません。
ここで「恋」ではなく「愛」という言葉を選んでいるところと、私は「気持ち」よりも「行き先」を重視していることについては後述します。
2人はどうなっていくのか・・・
バックミラー 何かに気づいてくれるかな
どれだけ車間距離 空ければ
涙 流さずにいられる?
結局このまま走って
いい関係と気づくまで
二人の車間距離 空けなきゃ
追突しちゃうわ ハートが・・・
少し離れていたって
ジェラシー ちょうどいいでしょう
目的地一緒なら そんなに近づかなくてもいい
あなたのこと見失わないよ
「Just drive」
時系列は、【2番】で完全に停車してしまう前に戻ります。
追うのを止める前に、「私」は何度かブレーキを踏んで、「彼」に気づいてもらおうとしますが、今までの描写からすると、「彼」は恐らくバックミラーを気にもしていないでしょう。
結局、二人の距離が近いほど、「私」は「彼」に振り回され、涙を流すことになります。
「私」の方は、ドライブ中の駆け引きなどよりも、同じ目的地を目指して二人で走って行くことの快適さを求めていると考えられます。
それは最後の「Just drive」にも表れており、意味は「ただ運転するだけ」というものです。
「私」の方は、淡々と自分のペースで目的地へ向かって運転を続けていく様子が感じられます。
テーマは「恋」と「愛」?
ここまで、歌詞の流れに沿って考えてきましたが、それでは、この歌のテーマとは何なのでしょうか?
それは「恋」と「愛」の違いだと思います。
そして、2人が上手くいかないのも「彼」は「恋」を求め、「私」は「愛」を求めていたからだと言えるでしょう。
もう一度歌詞を最初から見てみると、「彼」は「強引な車線変更」「誘惑するテールライト」「アクセル踏み込むことで」といったように、自分のドライビングテクニックを見せつけようとしている描写が多くあります。
常に「私」の前を走り「黙って俺についてこい」というスタンスなのも「男らしさ」を示そうとしていると考えられます。
それに対して「私」は「これ以上『恋愛』を走り続けられない」と疲れを感じています。
そして「私」が重視しているのは「目的地」「行き先」が同じことであり、近い車間距離による「追突」のスリルや、「涙」を流すような感情の揺れ動きなどは避けようとしています。
「愛とはそういうものでしょ?」「このまま走っていいい関係」「Just drive」などの言葉にも、「恋」よりも落ち着いた「愛」を求めている様子が見えます。
このような「恋」と「愛」の性質の違いこそが、この歌で描きたかったことであり、それは、偏見を承知で言えば、男性が車に求めるものと、女性が車に求めるものに託して表現しているとも言えるかもしれません。
世の中の一般的傾向で言うと、男性は車に「格好良さ」を求め、女性は車に「実用性」を求めがちと言われます。これは、「恋」と「愛」の違いにも対応していると言えるのでは無いでしょうか。
これ以上は、色々とアレなので深入りしませんが、男女の関係でも男性は「恋」を求め、女性は「愛」をもとめる傾向にあるということを暗に示しているのかもしれません。
最後に
いかがでしたでしょうか?
最後は、かなりの偏見とステレオタイプを承知で、踏み込んでみました。
ですが、「車間距離」というタイトルで「二人の心の距離感」という分かりやすいテーマに注目を集めておいて、その裏で、本当のテーマとして「恋」と「愛」を描いていたと考えると面白くないでしょうか?
少しでも歌詞の世界が深まったら幸いです。
長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!
櫻坂46の他の曲の考察はこちら↓