櫻坂46 歌詞 解釈

櫻坂46「Plastic regret」の深い歌詞の意味を考察〜「Plastic」が表すものとは?失恋で初めて気づく自分の「心」〜

「Plastic regret」はどんな曲?

「Plastic regret」は櫻坂46の1stシングル『Nobody’s fault』のTYPE-Bに収録されています。

藤吉夏鈴さんがセンターを務めている曲で、失恋した女性の心を描いている曲です。

「合成樹脂」という言葉の歌詞としての珍しさや、フォーメーションや振り付けが化学式を表していることなどが話題になりました。

今回は、

■「あなた」と「私」、別れを切り出したのは?
■「Plastic」が意味しているものとは?
■この歌はどのくらいの時間が経過しているのか?
を中心に考えていきたいと思います。

まだ聴いていない人はこちら!

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目次

「あなた」と「私」、別れを切り出したのは?

信号がチカチカ 点滅するように
そんな気がしていたの
心変わりを優しさで包んでも
何となくわかる

新しい彼女なんて
出来ないと思ってた
あなたは不器用な人だから
それでも出会いなんて(絶対)
誰も(きっと)ふいに
やって来るものだから(無理ね)
終わり

この曲は点滅する信号から始まります。

ここの振り付けが可愛いので見落としてしまいがちですが、これは赤信号になる直前の点滅であり、二人の「破局」が近いことを表しています。

問題は、この二人はどんな別れ方だったのかということです。

「破局」のきっかけは、「私」が「あなた」の心変わりに気づいたことです。

※「あなた」だとなんだか不自然なので、ここからは「彼」と呼びます。

「彼」の私に対する態度は、いつもよりむしろ優しいくらいですが、それも「不器用」な「彼」のことですから、不自然さが出てしまっているのでしょう。
「私」には心変わりを悟られてしまいます。

「私」の方にも少し油断のようなものがあったのかもしれません。

「彼」は恐らく恋愛下手で、「私」以外に相手にする人なんていないと思っていたのでしょう。

この部分の「無理ね」「終わり」という歌詞からは、「私」の方から「彼」に別れを切り出したことが読み取れます。

「Plastic」が意味するものとは?

思ったより弱くない plastic
だから私 泣いたりしない
涙一粒も・・・
思ったより華奢じゃない plastic
折れるくらい抱きしめられても
弱音なんか言ったりしない

ここで2回「Plastic」が出てきます。

「Plastic」という英語には、いわゆる日本語の「プラスチック」を表す使い方と、「可塑性(形が変わる性質)」を表す使い方があります。

この歌では一般的な「プラスチック」が持つ、「簡単には壊れない」「形を変えて加工できる」といったイメージが重ねられていると考えられます。

それでは、それを踏まえて、ストーリーを見ていきましょう。

「私」は、別れを切り出すときに、取り乱してしまうのではないかと思っていましたが、実際にはそこまでではありませんでした。

「ガラスの心」のようには、簡単には壊れてしまわない「Plastic」がイメージとして歌われています

「折れるくらい抱きしめられても」という所から考えると「彼」は引き止めようとしたのではないでしょうか?

「不器用な人」ですから、心変わりをしたから、すぐに「私」を冷たくあしらうということもできません。(そちらの方が相手を傷つける場合が多々ありますが)

人によっては、そこで心が揺らぎ、弱音を言ってしまいそうですが、「私」は気丈にも耐えて、「彼」の手をほどき、背を向けます。

この歌の時間経過は?

切なくてチクチク 針に刺されたように
この胸が痛むのよ
忘れたくても忘れられるわけない
いくつもの記憶

味のしないそんなガムを
いつまでも噛んでられない
そんなの吐き出せばいいって
軽く思ってたのに(意外に)
夢は(ずっと)続く
後を引いてしまった(辛い)
キモチ

目から何か溢れる regret
頬に流れ落ちる悔しさ
涙なんかじゃない
我慢しようとしたって regret
背中向けて嫌いになれたら
楽だけれどつまらないかも…

2番の歌詞を考えるにあたって、検討したいのが、この歌の「時間経過」です。

この2番の歌詞は、考え方によって、

①「破局」後しばらくして振り返るところまで
②「破局」のその場の数分の場面

の2通りの解釈ができます。それによって「私」の人物像やここでの心情も変わってくるので、どちらも見ていきましょう。

①「破局」後しばらくして振り返ったストーリー

まずは、長い期間の話を考えてみます。すると

忘れたくても忘れられるわけない
いくつもの記憶

とは、別れてからしばらくしても「彼」との思い出がジワジワと浮かんできて、それが「チクチク」と胸を刺すという意味でしょう。

その後の、

夢は(ずっと)続く
後を引いてしまった(辛い)キモチ
というのも、上と同じように別れてからも度々思い出し、後を引いてしまっているという意味になると思います。

目から何か溢れる regret
頬に流れ落ちる悔しさ
涙なんかじゃない
我慢しようとしたって regret
背中向けて嫌いになれたら
楽だけれどつまらないかも…

「彼」の前では涙を見せなかった「私」ですが、その後はふとした時に、涙があふれてきます。それでも私は「涙」とは認めません。

「regret」は「後悔」という意味です。「悲しみ」ではなく「悔しさ」と表現するところにも、「私」の気丈さが表れています

この長い時間でとらえる①のストーリーでは、

その後、度々「彼」を思い出しながらも、気丈に振る舞い、強く生きていく「私」。

そんな姿が感じられます。「気丈な女性」のイメージですね。

②「破局」したその場でのストーリー

次に別れを切り出してから、場面転換をせず、そのすぐ後の数分間だと考えると、それぞれの歌詞はどうなるでしょうか?

忘れたくても忘れられるわけない
いくつもの記憶

抱きしめる彼の手をほどき、背を向けはするものの、これまでの「彼」との思い出が走馬灯のように、いくつも浮かんできます。

味のしないそんなガムを
いつまでも噛んでられない
そんなの吐き出せばいいって
軽く思ってたのに(意外に)
夢は(ずっと)続く
後を引いてしまった(辛い)
キモチ

「私」は、相手が自分のことを想っていないなら、さっさと「吐き出せばいい」と他人事の時には考えていました。

ですが、いざ自分のこととなると、意外に思い切ることもできず、この別れを切り出す日まで後を引いてしまいました

「心変わりに気づいてからも、一緒にいる時間は楽しく感じてしまう・・・」

そんな、最近の日々が、走馬灯の中でも鮮明に思い出されます。

目から何か溢れる regret
頬に流れ落ちる悔しさ
涙なんかじゃない

そんな思い出とともに、「彼」に背を向けたまま、涙が溢れてきます。

「私」は涙と認めていませんが、そもそも1番の

だから私 泣いたりしない
涙一粒も・・・

という歌詞も、ここの強がりを踏まえると

「涙一粒も・・・流していない(流していないとは言っていない)」

という風に、既に泣いていたと考えるのが自然に思えてきます。

我慢しようとしたって regret
背中向けて嫌いになれたら
楽だけれどつまらないかも

ここの「背中向けて嫌いになれたら」という表現が、私がこの②のストーリーを考える一番のきっかけです。

①でも「別れたら」の比喩として読めなくもないですが、ここではもっと直接的に「彼」に背を向けて、それで気持ちが変わったら楽なのに、と捉えました。

「楽だけれどつまらないかも」というところにも、強がって堪えようとする「私」の姿が表れています

人の「心」についての気づき

もっと 強い愛しさは(いつも)
血が出るほど傷つけ合う
鋼(なんて)なれない(心)
どんな(愛も)合わせる
合成樹脂

ここだけ曲調が変わり「合成樹脂」というあまり歌詞では聞き慣れない単語も歌われています。

この部分は何を言いたいのでしょうか?

人の心は、「鋼のメンタル」「鉄の心」「ガラスのハート」など様々な物質に喩えられます。「Plastic」は「鋼」や「鉄」よりは柔らかく、「ガラス」よりは頑丈(壊れにくい)と言えるでしょう。(※ここは科学的な話ではなく、イメージとしての話です。)

「私」は「彼」と別れて涙が溢れています。

これがもっと強い「鋼の心」同士や「鉄の心」同士では、もっと激しい、血を流すような争いになっていたかもしれません。

「私」は別れを決意しても涙を堪えられないし、「彼」も心変わりしていながら、私にも冷たくは当たらない「弱い心」の持ち主だと言えます

「強い心」と聞くと良いことばかりのように思えますが、「弱く、柔らかい」からこそ、様々な相手や、様々な場面に柔軟に対応できるという良い面もあることに、「私」は、こんな場面で気づかされたのかもしれません。

「私」と「彼」は激しいケンカ別れなどではありません。これまでも「柔らかな心」同士、上手く楽しい時間を過ごしていたのではないでしょうか?

ここも曲調は変わっていますが、「彼」の心の性質や、自分の「心」の性質に気づいて、これまで楽しかった日々を思い浮かべている流れの中なのかもしれません。
※この解釈は①のストーリーでも当てはまります。

もうこれ以上頑張れない plastic

最後に切なく響く、この1フレーズですが、「私」はどうなってしまったのでしょうか。

ここでの「Plastic」はとても上手い表現だと思います。

「Plasticは」すぐに壊れる訳ではなく、グーッと一定以上の力を加えたときに割れたり、戻らなくなったりします。

この「私」の心も、「彼」の心変わりに気づいてから、少しずつ少しずつ辛さが溜まり、ここに来てパキンと折れてしまったのではないでしょうか?

心の折れた「私」がどうなってしまうのかは、想像するしかありません。

①のストーリーであれば、ヤケを起こして、自分を傷つけてしまったり、一目をはばからず泣いてしまったりするかもしれません。

②のストーリーであれば、今まで「彼」に弱いところを見せないように頑張ってきた心の糸が切れて、「彼」に本音をぶつけまくるかもしれませんし、「彼」には目も向けず号泣するかもしれません。

①と②どちらのストーリーを選ぶか?

結局①と②のどちらの解釈を選ぶかは、人それぞれの好みになると想います。

①では「私」の気丈さと、日常でも思い出してしまう切なさなどが読み取れます。

②では、短い間に我慢しようと思っても我慢しきれないところまでジェットコースターのように揺れ動く感情の動きが読み取れます。

私は②の方がドラマ性があるので好きですが、皆さんはどちらでしょうか?

最後に

いかがでしょうか?

長文をお読みくださり、ありがとうございます。

それほど、謎のない歌詞だと思っていたので、何について書こうか難しかったですが、

前半で「Plastic」の強さ、最後で「Plastic」の弱さが効果的に響いている歌詞

だと感じました。

「鋼のメンタル」のように「Plasticハート」なんていう表現が生まれる先駆けとなるかもしれませんね。

ぜひ、ご感想やご意見もお待ちしています。

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