櫻坂46 歌詞 解釈

櫻坂46「紋白蝶が確か飛んでた」の深い歌詞の意味を考察!〜明るい失恋ソング?~

久しぶりの二期生曲

「紋白蝶が確か飛んでた」は11thシングル「UDAGAWA GENERATION」のTYPE-Bに収録されている曲で、松田里奈さんがセンターを務める二期生曲です。

二期生曲は6thシングルの「コンビナート」以来になります。

この曲は、明るい曲調で「紋白蝶」などが出てくるので、楽しい内容なのかと思いきや、歌詞は失恋の思い出を歌っているというギャップのある曲です

ここでは

■どんなストーリーの曲?
■メインテーマは?

の2点を中心に考えていきます。

ぜひ最後までお読みください。

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歌の流れを追いながら全体のストーリーを考察

1番 何も思い出せない僕

【1番】
紋白蝶が確か飛んでた
真っ青な空 ひらひら舞うように
街角に迷い込んだか
少し 曖昧な僕だけのMemories

春色の服の上だけを脱いで
カフェテラスの椅子の背に掛けた頃
そう大人になろうとしていた

いくつか理由を探してみたけど
今でもよくわかっていなくて
もちろんあの日だって confusedしてただけ

自分のことが なぜか客観的に見えて
君の唇が動いてる間も
他の風景を見てた

紋白蝶が君の近くで
さよならなんて 何にも気にせずに
ただ 楽しげに 宙(ちゅう)を舞いながら
肩に留(と)まった
そう 自由ってこういうことだと
そっと僕に教えてくれたね
はっきり覚えてないけど
ロマンスは飛んで行ったらしい

出だしが「紋白蝶」「真っ青な空」など明るい春の情景で始まっていますが、同時に「確か飛んでた」「迷い込んだ」というあやふやな言葉が描かれ、明るさと不安定さが同居しています。また、「確か飛んでた」「僕だけのMemories」をきっかけに回想シーンへと移っていきます。

回想シーンの季節は春。時期は「大人になろうとしていた」と曖昧な表現ですが、高校生~大学生頃でしょうか。

「いくつか理由を探してみたけど」が何の理由なのか、ストレートには書かれていませんが、この後の「さよならなんて何にも気にせずに」という表現からは突然別れ話を切り出されたのだと考えられます。

「confusedしてた」は「混乱してた」という意味ですが、「僕」は突然別れ話を切り出され混乱するしかなく、数年経った今でも別れた理由が何も分からないままだと振り返ります。

魂が抜き出たように混乱している自分の姿を自分で眺めているような心情だったのでしょう。自分の姿は思い出せますが、「君」の言っていることは聞き取れておらず、茫然としている状態です。

重苦しい別れ話の空気に不似合いな紋白蝶の楽し気な様子が、反対に僕の記憶に鮮明に残っているのはそのギャップのせいでしょう。現実逃避とも言えると思いますが、数年経ったときに、別れた原因も、その時の相手の様子も覚えておらず、紋白蝶の楽し気な様子だけが思い出されるというのが、この歌の面白くも切ないところです。

2番 紋白蝶だけが・・・

もしこうだったら 仮定の話は
後出しジャンケンのようなもの
解説してみたって まるで意味がない

肝心なこと 思い出せないくせして
どうでもいいこと 覚えているのは
誤魔化したいんだ 自分を…

紋白蝶は 涙みたいに
景色の中を はらはら落ちるだけ
そう 僕たちは 視線合わさずに
ずっと 無口で…
ねえ お互い傷つかぬように
時間(とき)をここで止めてしまいたい
悲しみはフリーズしたけど
感情は羽根を広げて逃げた

紋白蝶が君の近くで
さよならなんて 何にも気にせずに
ただ 楽しげに 宙(ちゅう)を舞いながら
肩に留(と)まった
そう 自由ってこういうことだと
そっと僕に教えてくれたね
はっきり覚えてないけど
ロマンスは飛んで行ったらしい

「もしこうだったら」というのは別れずにいられた可能性を想像しているのでしょうが、それが意味のないことだというのは自分自身がよく分かっています。

1番で見たように肝心な「君」の言葉は思い出せず、どうでもいい紋白蝶なんかを覚えているのは「誤魔化したいんだ」と自分で分析しています。もしかしたら「僕」は「君」が言った別れの理由もしっかりと覚えているのかもしれません。

ですが、それは「僕」にとってあまり思い出したくない内容なので、紋白蝶のことしか覚えていないように自分のことを騙しているのだと「僕」自身が分析しています。

「僕たち」は視線を合わせずに、無言のままで、非常に重苦しい空気だったことは鮮明に思い出されています。

「ねえ お互い傷つかぬように 時間をここで止めてしまいたい」というのは当時の「僕」の切実な想いだったでしょう。
しかし、そんなこともできるワケはなく「感情は羽根を広げて逃げた」という風に、紋白蝶だけが固まっている僕たちに関係なく、自由に逃げて行ってしまいます。

最後に

いかがだったでしょうか?

この歌詞は特に謎めいている部分などもないので、歌詞に即して情景をイメージしてみました。

この曲のポイントは春の「紋白蝶」というとても明るいモチーフと、別れ話を切り出されて茫然としている「僕」、そして無言のまま黙り込んでしまう「僕たち」という非常に重苦しい場面が対照的に描かれていることです。

おそらく数年経ってからの回想であり、細かいことを覚えていないのは仕方がないのかもしれませんが、その当時の紋白蝶の様子だけが鮮明に思い出されることに、大人になった「僕」から見た当時の自分の態度のまずさや、お互いの幼さなどが込められているのではないでしょうか。

昔の苦い恋の思い出を、きれいなものへと昇華させようとする「僕」の気持ちが感じられる曲ですね。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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