最後の一期生として卒業していく小池さん
「行かないで」は、2015年8月21日にデビューした欅坂46時代から、2025年3月20日に櫻坂46を卒業するまで、最後の一期生として櫻坂46を見守ってくれた小池美波さんの卒業ソングです。昭和歌謡が好きな小池さんにふさわしく、昭和のレトロな雰囲気がある歌です。
この曲は小池美波さん、遠藤理子さん、小島凪紗さんの3人のユニット曲になっています。
CDでは『UDAGAWA GENERATION』TYPE-Cに収録されています。
ここでは
■小池美波さんのこれまでと関連させて考えると…
を中心に考えていきます。
ぜひ最後までお読みください。
曲はこちらから聴けます。
歌詞の流れに沿ってストーリーを考察
1番 将来を話しながら歩く二人
風はまだ冷たいけど
あのカフェまで歩こうか?
通い慣れた並木路(なみきみち)に
思い出が枯葉のように舞う
君の夢について聞きたい
一から十まで
この街を出て行かなきゃ
叶わないのかな
できることならば 行かないで
そんなこと言えやしない
心の声 隠しながら
頑張れって言うのだろう
「ごめんね、寂しくさせて…
でも、ずっと、あなたのことを想っているから…」
出だしの「風はまだ冷たいけど」の一行で、舞台は冬の終わり頃だと分かります。この曲の発売日が2月19日なので、ちょうどその時期のイメージでしょうか。
「通いなれた並木道」「思い出が枯葉のように舞う」という表現からは、長い月日を2人で一緒に過ごしてきていたことが浮かびます。
「僕」はそんな関係が続くと考えていたのに、「君」が夢のために「この街を出ていく」と告げたのでしょう。
「君」の方は「ずっと、あなたのことを想っているから…」とこれで別れるつもりという訳ではないようですが、「僕」からすれば、自分よりも夢の方を選んだという風に感じているかもしれません。
しかし、その想いを「君」に伝えることはできず、「頑張れ」という声かけしかできません。
2番 今さら後悔しても間に合わない…
春の陽射し待っている
思い描く願い通り
都合いい未来は来ないのに…
僕の恋について語ろうか
勝手なモノローグ
見つめ合った言葉に
嘘なんかつけない
ここにいて欲しい 行かないで
呟(つぶや)きたかったけれど…
君の夢を邪魔するなら
微笑み 背中を押すだけ
できることならば 行かないで
そんなこと言えやしない
心の声 隠しながら
頑張れって言うのだろう
いつの日にか また逢おう
君が夢を叶えた頃
この街から 空を見上げ
流れる雲 行かないでと…
2番の出だし【花は ただ土の中で~来ないのに…】は非常に文学的な表現になっています。
1番で触れたように、今は2~3月。そのまま待っていれば「当たり前のように春が来る」と花たちは思っており、それはこれまでの「僕」自身に重ねられます。「僕」にとっての「春」とは「君」との楽しい日々です。
しかし、そんな「都合いい未来は来ない」と知ってしまった今、僕にとっては永遠に冬が明けないような心境なのでしょう。それが比喩的に描かれています。
次の「モノローグ」は日本語では「独白」とも訳され、演劇や映画で登場人物が自分の心情などを心の声として語るものです。
「君」との日々を思い出す「僕」の頭には様々な思いが次から次へとあふれ出てきているのでしょう。ですが、それを言葉にすることはできません。少しでもそれを言葉にしてしまえば「嘘なんかつけない」とあるように、どんなに応援するような言葉を交えても、「行かないで」という本心が伝わってしまうからでしょう。
ラスト 2人の未来は?
最後の終わり方は「いつの日にか また逢おう 君が夢を叶えた頃」となっているので、遠距離ながら、また一緒になる日まで繋がっていくという風にも見えます。
ですが、「夢を叶える」というと数年単位の長期間がイメージされます。そんな中で関係を続けていくというのには不安も多いでしょう。
「見つめ合った言葉に 嘘なんかつけない」というのは、1番で「ずっと、あなたのことを想っているから…」と言ってはいても、お互いにこれが「別れ」となってしまう予感に「嘘なんかつけない」という解釈もできます。
【相手のためを思って、引き留められない、見送るしかない】という想いはこれまでにも「君がサヨナラ言えたって…」「桜月」「ずっと春だったらなあ」などで繰り返し歌われてきました。
特にこの曲の「僕」は桜月の「僕」に非常に近いものを感じます。引き留めたいのに「キレイに散ろう」としてしまう・・・そこに文学性があります。
他の曲に比べると、「君」の言葉にも「僕」の言葉にも、再会を感じさせる表現があるので、ハッピーエンドも想像しやすいかもしれません。皆さんはどんな未来を思い浮かべますか?
小池美波さんの今後に関連させて
最初にも書いたように、この曲は欅坂46時代からの最後の一期生として櫻坂46を卒業する小池美波さんの卒業ソングです。
2015年8月21日に欅坂46としてデビューして以降、2020年10月の櫻坂46への改名、2023年10月のパニック障害による約7か月の活動休止など、様々なことを乗り越え、一期生として最後まで欅坂46・櫻坂46を見守ってくれた小池美波さん。その卒業にあたっての思いは
こちらのブログで読むことができます。
歌詞の中の「君」に小池さんを重ねて、感情移入しやすいようになっていますが、そうなると「いつの日にか また逢おう 君が夢を叶えた頃」という言葉が気になります。
小池美波さんの卒業後の予定については、何も明らかになっていませんが、こういう歌詞を見ると、また何らかの形で会うことができるのではないかと期待してしまいます。
どんな形であれ、今後の幸せを応援していきたいですね。
最後に
いかがだったでしょうか?
小池美波さんの卒業コンサートの詳しい内容や、セレモニーで語った内容については、以下に載っています。
「【ライブレポート】櫻坂46最後の一期生メンバー小池美波『Buddies感謝祭』で涙の卒業セレモニー開催」
また、小林由依さんについてもっと知りたいという方は以下もオススメです。
blt graph.vol.110 (B.L.T.MOOK) ※表紙+ロンググラビア+1000字インタビュー
長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!
櫻坂46の他の曲の考察はこちら↓
