櫻坂46 歌詞 解釈

櫻坂46「ブルームーンキス」の深い歌詞の意味を考察〜女性同士の恋?「あ、キスしちゃった」の解釈〜

「ブルームーンキス」はどんな曲?

「ブルームーンキス」は櫻坂46の1stシングル『Nobody’s fault』の通常版に収録されています。

森田ひかるさんがセンターを務めている曲で、ドキドキする恋の一瞬を歌った曲です。

この曲がライブで披露された時、メンバー同士の絡み合うパフォーマンスから「女性同士の恋を描いた曲?」ということも話題になりました。その点についても見ていきましょう。

今回は、

■女性同士の恋を描いたもの?
■「あ、キスしちゃった」は誰のセリフか?
■欅坂46時代の「結局、じゃあねしか言えない」との繋がりについて
を中心に考えていきたいと思います。

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目次

女性同士の恋を描いているか?

この「僕」が女性ではないか?という解釈が盛り上がったきっかけは、ライブのパフォーマンスだったと思いますが、歌詞の中にもそう思わせる表現がいくつか見られます。

結論から先に書けば、「僕」が男性や女性と確定できるような決定的な歌詞はありません。

そして、男性と考えた場合と、女性と考えた場合で、いくつかの歌詞が二重の意味を持ってきます。

今回はその二重性を楽しみながら考えていきたいと思います。

まずは「僕」=女性のストーリーを追っていきましょう。

ブルームーンキス
そんな顔をして見つめないで
ブルームーンキス
驚かせちゃってごめんなさい

まずは出だしの「驚かせちゃってごめんなさい」という口調です。

ここの「ごめんなさい」という言い方に少し女性的な雰囲気を感じます。

「そんな顔をして」というのは、キスをされたこと以上に、仲の良い「友達」と思っていた相手が、自分に恋愛感情をもっていたことに対する驚きの表情でしょう。

言い訳をするのは見苦しい
この瞬間(とき)をずっと狙ってた
正直に言えばよかったけど
愛しさは 臆病な感情
脆いガラス細工のように・・・

「僕」を女性だと考えると、「この瞬間」というのは、「友達同士」から一線を越える瞬間であり「正直に言えばよかった」というのは「君」に対する恋愛感情だと読めます。それは、ただの「告白」よりも、言いにくいものであり、様々な苦悩があったでしょう

「この瞬間をずっと狙ってた」という表現からは「友達同士」として、とても親密な二人の様子が思い浮かびます。距離的にはキスしようと思えばできるチャンスは何度もあったのでしょう。

ですが、なかなか行動に移せない想いが、ブルームーンのロマンティックなシチュエーションによって、爆発したと言えます。

「あ、キスしちゃった」

「僕」はこのように軽い言葉にすることで「友達同士の冗談」に逃げる余地を残しておいたのかもしれません

そこで「君」が「何やってんのよ~。」とでも返してくれれば、その場は誤魔化して終わったかもしれませんが、結果は静まり返って深刻な雰囲気になり、「僕」は様々に後悔してしまいます。

「あ、こんなに好き」

少し飛びますが、2番のこのセリフは、声に出したというよりも、「僕」が自分の心を再確認した心の声だと考えられます。

これまで「君」に対する恋心を自覚しても、自分で抑え込んで一生懸命「友達」でいようとしてきたのかもしれません

恋人になれるかな

という言葉は、女性同士と考えると、その思いの強さや悩みの深さが、より感じられます。

冗談を言いたいけれど
ロマンティックすぎて何も浮かばない

「あ、キスしちゃった」のように軽い「友達同士の冗談」で誤魔化すなら、この場が最初で最後のチャンスと言えます。

ですが、結局上手い言葉は見つからず、ロマンティックな青い月が暗闇に浮かぶだけです。二人の今後は誰にも分かりません

「僕」=「女性」版まとめ

「僕」を「女性」だと考えたとき「友達同士」としてはとても親密な二人の姿が浮かんできます。

「僕」の心配の内容と、「君」の驚きの内容が、異性同士とはまた違った次元のストーリーで想像されてきて深さを感じます

これはこれで、1つのストーリーとして完結していると言えます。

ただ、この後の「僕」=「男性」版の考察や「あ、キスしちゃった」というセリフについての考察を見ると、そちらの解釈もオーバーラップして、より面白く読めると思うので、ぜひ見てみてください。

「あ、キスしちゃった」とは誰のセリフか?

ここからは「僕」=「男性」で考えていきます。

「僕」を男性と考える材料としては

■一人称「僕」
■「君の肩を抱いて」という表現
■夜道を「送る」立場
■「カッコ悪い 落ち着かなさ」という表現

などが挙げられます。

世の中の「一般的」には、これらは男性的なものと捉えられることが多いのではないでしょうか?

ただし、これらはどれも「僕」=「女性」という意見から反論が可能であり、決定打とはなりません。

最後はファンの方々が、自分の一番好きなストーリーを選ぶのが良いでしょう。

ブルームーンキス
そんな顔をして見つめないで
ブルームーンキス
驚かせちゃってごめんなさい

「女性版」ストーリーと同じで、「そんな顔」は驚きの表情ですが、後半の「恋人になれるかな」という表現からは、二人はまだ、「友達以上恋人未満」の関係だということが分かります

それでも、夜道を二人で遠回りしながら帰るところからは、お互いに好意をもっている関係とも考えられます。

「あ、キスしちゃった」

この歌の特徴とも言える、セリフですが、「女性同士」のストーリーとは、その表現するところが変わってくると思います。

このセリフは

①「僕」のセリフ  ②「僕」の心の声  ③「君」の心の声

のどれでしょうか?

少し考えてみましょう。

①の「僕」のセリフは、「女性同士」の時は、「冗談っぽく誤魔化す」という意味であり得ると思いました。ですが、男が強引にキスをして、このセリフは冗談にしても無理があるでしょう。一気にチャラ男まっしぐらで、この歌のドキドキ感が崩れます。

②の「僕」の心の声も無理があります。「自分でも分からないような理性の崩壊」の歌なら、これもあり得ますが、この「僕」はかなり用意周到に計画をしています。

自分で計画を実行しておいて、この驚き方は不自然です。

③の「君」の心の声がここでは自然ではないかと思います。

この歌詞には僕の緊張や気まずさは、描かれていますが「君」の内面があまり見えません。ですが、この部分を「君」の心の声と考えることで、「君」の人物像も見えてきます。

「君」は「僕」に対して好意がありましたが、まさか突然キスをされるとは思わず、驚いています。ですが、この言い方からは、そこまで拒絶する気持ちは感じられません。

ここを「君」の心の声と考えることで、

「辺りがし~んと静まった」という直後の歌詞が、僕だけでなく二人の複雑な気持ちを表す歌詞に変わってきます。

いくつかの歌詞の謎について

ここで、少しわかりにくい、いくつかの歌詞について触れてみます。

こっちの道 遠回りで
こうなるって予測できた

僕は、こんなに気まずくなるなら「あのまま送るべきだった」と後悔しています。

帰り道、いつもの二人で帰っているルートがあるのでしょう。

ですが、今日だけは寄り道をして帰ることになります。

そのまま公園のに座って話しこんだりしていたのかもしれません。

おそらく「僕」の方から寄り道に誘ったのでしょう。この時点からすでに「僕」のプランは始まっていたのかもしれません

それくらい何度も想ってた
柔らかな感触と温度
愛しさは身勝手な想像
なんて切ない一瞬の夢
都合よすぎ僕の逡巡(しゅんじゅん)

最初の2行は、このキスの瞬間を何度も想像していたのを表しているのでしょう。

後半の3行が少し解釈が必要です。

「身勝手な想像」「都合よすぎ僕の逡巡」というのは、キスの後、そのまま順調にハッピーエンドまで進んでいくことしか考えていなかったのではないでしょうか

それが実際に、キスをしてみたら、それらの想像は「一瞬の夢」のごとく、崩れ落ち、実際には気まずい沈黙だけが続いています。

「都合よすぎ僕の逡巡」に続くように

「あ、こんなに好き」というセリフがあることから、

もしかすると、これは「僕」が勝手に「君」の心の中を何度も想像していたセリフという解釈も浮かんできます。 

キスをきっかけに「君」が「あ、こんなに好き」と言葉にしてくれれば、そのままハッピーエンドまでたどり着きそうですが、実際には「君」は無言のままです。

ですが、実際の「君」も心の中では、このセリフを言っていた可能性があります。

1回目の「あ、キスしちゃった」という心の声から、二人とも沈黙のまま、様々な想いが頭の中を高速で巡っているという考え方です。

「僕」があれこれ後悔している間に、「君」の方も驚きながら、「僕」への気持ちを確認しているのです。

そして「あ、こんなに好き」と心の中ではハッピーエンドを迎えながらも、どちらも言葉にしないので、伝わりません。

この2つのセリフだけ「  」がついているところからも、両方を「君」の心の声と捉えるのは無理のない解釈だと思います。

何より、そうであれば、二人が想い合っているのに、ずっとどちらも何も言えずに沈黙したままドキドキしている、という個人的には一番良いシチュエーションになるので、この解釈を推したいと思います。

※他の候補としては、キスによって自分の気持ちを再確認した「僕」の心の声も考えられなくはないですが、イマイチです。

そして、この「あ、キスしちゃった」と「あ、こんなに好き」を「君」の心の声と捉える解釈は「女性同士」のストーリーでも、ハッピーエンドに向けて有効な解釈だと思います。

槻坂6「結局、じゃあねしか言えない」とのつながりについて

この曲の「キスしたい、でも今までの関係が壊れるのも怖い」という気持ちを見ていたら、槻坂46の「結局、じゃあねしか言えない」が思い浮かんできました。

あの歌は、「好きと言いたい、でも今までの関係が壊れるのが怖い」という心情を歌っています。

結局、この「僕」は気持ちを切り出せません。

「十字路で右左 二手に分かれるのは 恋の選択肢」

とあるように、行動に移すのか、移さないのかの選択によって、どちらの曲も二人の関係は大きく変化します。

この2曲はどちらが前と後という繋がりではなく、

「積極的な選択」と「消極的な行動」の2つの世界線という風にみると面白いと思います。

期せずして「結局、じゃあねしか言えない」の最後は「星が出た」と「星」が強調され、こちらは「ブルームーン」と「月」がクローズアップされています。

「結局、じゃあねしか言えない」の方も、女性同士のストーリーで読むこともできますので、そういった意味でもつながりを感じます。

最後に

いかがでしょうか?

長文をお読みくださり、ありがとうございます。

「あ、キスしちゃった」が印象的なこの曲。このセリフの主語を考えてみるだけでも、様々なストーリーが浮かんできて、解釈しがいがある一曲でした。

ぜひ、ご感想やご意見もお待ちしています。

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